平成16年8月1日、「あきたヘリテージング紀行」という特集記事が、秋田さきがけ新聞の紙面を飾った。秋田近代化の歴史を、県内のヘリテージング名所に語らせようという、創刊130周年を迎えた新聞社の記念編集だ。こうしたメディアの試みは、九州の佐賀新聞、西日本(福岡)、南日本(鹿児島)、熊本日日(熊本)、北國(石川)、北日本(富山)、信濃毎日(長野)、河北新報(宮城)など、ヘリテージング資源の豊かな地域で始まっている。
秋田県内31ヶ所の近代化遺産リストで、そのトップに挙げられているのが小坂鉱山だ。小坂町の明治百年通りに並ぶ「康楽館(こうらくかん)」と「事務所」は、正面から写真を撮りたくなる建物のベストテン
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に入る。
小坂の「康楽館」。鉱山ヘリテージングに関心ある人はきっと知っている名前。明治43年に鉱山会社が造った日本最古の木造芝居小屋だ。いまも日に3回の芝居興行が行われている。壮麗な擬洋風(ぎようふう)の外観と、内部の純和風芝居小屋のギャップは感動的でさえある。国の重要文化財の中で、弁当をパクつきながら(弁当は予約制)伊東元春一座演じる痛快時代劇を眺めるというのも、ここでしか味わえない貴重な楽しみだ。
小坂鉱山のもうひとつの重要文化財は「小坂鉱山事務所」。観光施設として移築デビューを飾るのは康楽館よりずっと後のことである。というのも、明治38年に建 |